もしや、と思い……

 明らかに効いているセッティング

 広大なホールがスピーカーの背後に展開する。明らかにこのセッティングも効いているようだ。

 それにしても第九が、こういう風に再生されるとは……

 弦の響きは、目をつぶると目の前にオケがいるようで──いったいこれまでの苦悩はいったい何だったのか、と嬉しい反面腹立たしくもなってこようというもの。失われた膨大な時間とエネルギー、まあ、何とか間に合ったと思って許すことにしよう。

 それにしても、コーラスが──ソリストが……  そして管楽器が……  しかし、どうして今までダメだったのだろう。散々録音のせいにしてきたことが恥ずかしい。要するに、己の力不足がすべての原因だったということに尽きる。怒涛の終楽章、高速で駆け抜けるクライマックスで音が割れないのは、ユニットの底力をうまく引き出せた結果だろうか。

 ついボリュームをぐいぐい上げてしまったが、適切な音量まで戻す。この方がより生の会場での響きに近い。

コメント