4343の奥に広がるステージ

 ステージが浮かび上がる


 高齢にも関わらず、ライブでこの超絶技巧を要する難曲に挑戦した勇気と根性には頭が下がる思いだ。こうして聴くと、会場の雰囲気やステージの広がり、しっかりセンター定位するピアノの相対的位置関係、サイズ感覚が自然で素晴らしい。

 このディスクもこれまでとは別物と思わせる再現でスリリングだ。高速トリルが絶頂期のグリモーや、ご本人の若い頃のようには行かないが、決して逃げず、音を省略せず果敢に攻めたことには大拍手を送りたい。

 今頃になって、やっと4343がここまでに至ったわけで、まあ、お疲れさんでした、というところか……

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