YAMAHA

 Arrival


 CDプレーヤーとパワーアンプが先に到着した。プリは納期未定なので、じっと待つしかない。プリのかわりにSPLのアッテネーターを使用。


エントリー・クラスとの比較は禁

 37倍の価格差があるものを比べるのは悪趣味だろう。あくまでも、この状態の音についてだけ触れることにする。

 冷えて放電し切った新品の音は──大人しい、静かな世界。ざらつきや、金属的な硬さ、モヤつきは感じない。朝焼けを過ぎた早朝のイメージ。

 パワーアンプがほんのり暖かくなってくると超微粒子のサラッとして、上品で控えめな、非常に耳に快適な〈おもてなしサウンド〉となってくる。

 スケール感やパワー感はゆったり流れる大河のようで堂々としている。グーッとマッスで迫ってくる濃密な透明感がいい。ボリュームをあげた時に、まったく音場が粗くならずリニアに音場が拡大していく。テンションの高い響きへの追従性も良くあっさりこなしてくる。



 なんと言っても作りの良さが、至近距離での使用でじんわり伝わってくる。筐体に使用されているパネルの厚みは視覚的にもはっきりわかるところが恐ろしい。

 パワーアンプの美しさは思わずため息。ラックに押し込んでの使用はあまりにもったいない。目の前に置いて使いたい。

 時間と共に、ヤマハが目指した〈パールトーン〉の意味が分かってくる。ほっとする本物感に胸をなでおろす。

 雑味のない圧巻のS/N感。淡い色彩感の移ろい、これぞ MADE IN JAPAN。

コメント