小音量再生の美学–1

 深夜の集合住宅

 小音量再生であってもディテールが寝ぼけず、ピントの合ったシャープネスをキープし、深夜の分厚い静寂の中に浸透力のある響きを展開するために必要な要素とは…?

 経験的に言えば、ニアフィールド・リスニングが基本。スピーカーまでの距離は2m以上離したくない。スピーカーを壁から離し、自分に近づける。結果として、隣家からも離れるので音漏れ音圧も下げられる。

 そしてユニットの能率は高いに越したことはなく、振動板面積は大きい方がいい。これが、個人的に得た結論だ。実験的にあらゆるタイプのスピーカー・システムを使い倒してきて得た実感なので、大きく外れてはいないと思う。

 小は大を兼ねられないが、大は小を兼ねうるということでもある。


 だが、これを使うことは大前提であり、なしでは音楽にはならない。

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