オリジナルのストーリーを創るのは本当に、苦しい……

 プレミス(1文にまとめたストーリー)


カサブランカのプレミスは……

『故国を捨てたタフなアメリカ人男性が、かつての恋人と再会するが、ナチスと戦うためには、彼女のことをあきらめなくてはならない』

そして、設定原則は……

『かつては自由のために戦う活動家だった男が、失恋を契機に社会に背を向けて暮らしていたが、のちに愛する女性が戻って来たことに触発され、自由への戦いに戻ってゆく』

テーマラインは……

『圧政に対抗して戦うためには、2人の男女の真の愛でさえも犠牲にしなければならないことがある』

道徳上の決断は……

『リックは愛する女性と共に暮らすことと、世界を席巻する独裁政治を相手に闘うことのどちらかを選ばねばならない』

道徳的問題点は……

『私的な欲求を取るか、それとも、より大きな社会正義のために犠牲になるか、この二つのバランスどうやってとればいいのか』

テーマのヴァリエーションとして、4人のキャラクター

 リック:リックは自分のことだけを大切にし、世界が直面している問題に背を向けている。

 イルザ:正しい行動を取ろうと努力しているが、最終的には私的な愛の方が勝る。

 ラズロ:戦いのためには私的な愛も含めて、どんなものでも犠牲にできる。

 ルノー:完全な日和見主義者。自分の享楽と金のことしか考えていない。

対立する価値基準

 リック:自分自身

 イルザ:夫への忠誠、リックへの愛、ナチスへの抵抗

 ラズロ:ナチスへの抵抗、イルザへの愛、人類愛

 ルノー:女、金、権力

道徳論議

■ リック

 信念と価値基準:自分自身、正直さ、友人たち

 道徳的弱点:シニカル、利己的、冷徹

 道徳的欠陥:他人を犠牲にして自らを助けようとすることを辞める必要がある。社会に復帰してファシズムを相手に戦うリーダーになる必要がある。

 最初の不道徳な行動:殺された売人の者だと知りながら、通行証を受け取った。

 第二の不道徳な行動:ウガーテを助けようとしない。/批判/正当化

 欲求:イルザを取り戻したい。

 駆動:彼女を取り戻そうと誘惑しながらも彼女を攻撃する。通行証を死守し渡さない。

 不道徳な行動:閉店後に戻ってくるイルザの話を聞こうとせず身持ちの悪い女だと罵る。傷ついて去るイルザ。リックは自分の行動を正当化しない。

 仲間による攻撃:イルザから。サムは恋を引きずるのはやめろ、という。

 不道徳な行動:市場でイルザを誘う。ラズロに嘘をついて一緒に行こうと提案する。/批判:あなたは変わってしまった、自分は結婚している事実を話す/自分は酔っていたと正当化する。

 執拗な衝動:イルザから受けた傷が原因で、彼女を傷つけようとする。

 不道徳な行動:リックはラズロの依頼を拒否、理由はイルザに訊け、とさらに彼女を傷つけようとする。

 不道徳な行動:リックはイルザからの頼みも拒否する。このままではラズロは殺される。あなたの戦いも終わってしまう。が、リックは自分の今年か考えられない、と告げる。

 不道徳な行動:ラズロ一人だけなら助けよう、という。この嘘は、すでに二人を助けようという変化に基づいている。(今でもリックを愛しているのだという告白が起爆剤)。

 リックはルノーを騙す。

 決戦:空港に向かわせる。イルザには、ラズロと行け、という。 


 簡単にまとめるとこんなストーリーなのだが……


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