続)イコライザー研究
イコライザー研究(4)
まずはエントリーモデルでやってみる
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/163476/
dBX製の定番231Sをダブル使用。
最大の難関は、実は使い手の耳と思考回路
目の前で鳴っている音のどこが<変>なのかを判断するのは、実は聴き手の仕事だ。スペアナなど、測定器では単にマイクを立てた位置での周波数特性しかわからない。そのデータから音が<変>であるか否かはまったくわからない。
ここから音は聞こえてこない。音の調整には使えない。ただ単に凹凸を減らしてフラットに近づけることは可能だが、音楽としての聞こえ方がどうなるのか判断はできない。凹凸を無くしたことで、音楽が死んでしまう可能性の方が高い。
鳴っている音楽は素材、おいしく調理するのはあなた
つまり、サウンドコントロールとはサウンドクッキングに近い行為だ。音の名シェフになるための慣れや修行はどうしても必要になる。
いい素材でも例外を除いて、生肉はそのままでは食べられない。あなたはそれをどんなふうに味わいたいのか? その “どんなふうに” が定まっていなければ出来上がった料理は不気味なものになるだろう。
“どんなふうに” という目標がはっきりしたら、次は “どんなふうにして” そこに辿り着くのか、という純粋に技術的な問題が待ち受けている。
香辛料の使い方、油の選択、煮るのか、焼くのか、蒸すのか? 火加減は?
味見をして、次の一手を決める、さてどうする? 塩をひとつまみ? それともみりん? 醤油? 酢? 何を基準にして決めるのか……
ひとえにシェフの美意識にかかっているのでは? いや、それが結論では身も蓋もないわけで、ここではまず、音がどう<変>なのか、<変>な音とはどういう状態のことをいうのか考えてみたい。
いや、なにも難しいことはない。PAを使わない生のコンサートやライブでの自然な響きが目指すゴールだ。
ポイントは elysia と SPL PASSEQ#1650 によるコントロールだ。
愛聴盤が自然な響きで堪能できる。生のコンサートでは絶対に聞こえてこない刺激的な歪みっぽい汚れはない。そのための緻密なコントロールなのだ。
すべての(ヴィンテージの銘器も含む)スピーカーは、スタジオモニターやコンサートのステージで使用されるスタジオ・モニターやSR・PAスピーカーと同じようなコントロールが、本当は必須なのだ。もうこれで十分、というサウンドが得られてしまうと買い替え需要がなくなるという理由でイコライザーは徹底無視、または挿入による音の劣化ということばかりいい続けてきた。その結果、オーディオにお金を注ぎ込んでもイヤフォンの方が音がいいから、と一般ユーザーから見放されることになった。ノーコントロールでは、スピーカーが大型になるほど悲惨な結果になる。悲しく寂しい現実だ。プロの最前線で使われている機器を、どうして拒絶するのだろう? メディアの嘘に騙されないでほしい。
【 続く 】
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