人生に、無理に高い目標を設定しない

 最初から諦めなくたっていいが……


 強目のブラディマリーを飲みながら、レヒナーのチェロを聴いている。『嘘』で塗り固められた世界にはもううんざりだ。医療の世界も、残念ながら……

 白内障は手術をすることで症状をとることができる。糖尿病なら、適切な治療で糖尿病ではない人と同じような生活ができるようにもっていける。ところが、アレの副作用で膠原病と同じような状態になってしまった人の治療となると話は違ってくる。

 短期間(3週間以内)であれば高容量のステロイドも副作用なしでフィニッシュできるが、難病指定が受けられるような膠原病や内分泌疾患に陥ってしまうとステロイドの副作用との戦いが始まってくる。免疫抑制剤の併用まで必要になったりST合剤(抗生物質)や生物学的製剤(バイオテクノロジー(遺伝子組換え技術や細胞培養技術)を用いて製造された薬剤で、特定の分子を標的とした治療のために使われる。生物学的製剤は高分子の蛋白質であり、内服すると消化されてしまうため、点滴あるいは皮下注射で投与)の併用まで必要になってくると患者も医師にかかるストレスはどんどん大きくなっていく。しかも、スッキリ良くなるということがない。だから難病指定を受けられるのだが……    さらに認知症まで加わってくると、もう患者本人に今起こっていることを理解させることは不可能になってくる。患者が子供、未成年者の場合は保護者の理解が必要になってくる。一生付き合っていかなくてはならない病気に陥ったという過酷な現実を受け入れられるようにするには根気よく丁寧な説明を忍耐強く続けるしかない。 

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