Thielemann Staatskapelle Dresden

久しぶりの深い感動

 素晴らしい。緩急、硬軟、ディテールの細密描写の洗練された繊細感、かと思いきや炸裂するシーンでも全く乱れない統率力。正調・正統派の重厚な響きからフワッと漂うような柔らかな響きまでDレンジの広さはさすが。
 録音は滑らかで圧巻の低歪、高S/Nでありながら、香り高い艶を失わず、磨きすぎてツルツルになり無味無臭の食品見本みたいになっていないところがアナログ的だ。

 カラヤン亡き後の、深い失望感、喪失感を埋めてくれる存在ではないか。すっかりあきらめて、自分から探索に向かわずきたことが悔やまれる。


 この無粋・無骨なスピーカーも使い方次第で、リアルサイズを錯覚させるオーケストラが醸し出すホールトーンが再現できる……   馬鹿げた戦争だけは回避してほしい。聖書の予言が外れたっていいじゃないか……

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