SOUND CONTROL-3

 イコライザー研究(3)

まずはエントリーモデルでやってみる

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/165046/



 dBX製の定番。片ch15BANDのステレオモデル。あまりの安さにこんなんで大丈夫なの? と不安になるはずだ。これは、練習用と割り切って欲しい。ちょっとした教材費だと思えば、まあこれでも使いこなせれば想像以上の成果が得られるはずなのだ。ないよりはあった方がずっといい、と。プロの現場では必需品であるからこそずっと無くならないロングセラー。


 こちらからエントリーしてもいい。

最大の難関は、実は使い手の耳と思考回路

 目の前で鳴っている音のどこが<変>なのかを判断するのは、実は聴き手の仕事だ。スペアナなど、測定器では単にマイクを立てた位置での周波数特性しかわからない。そのデータから音が<変>であるか否かはまったくわからない。

 ここから音は聞こえてこない。音の調整には使えない。ただ単に凹凸を減らしてフラットに近づけることは可能だが、音楽としての聞こえ方がどうなるのか判断はできない。凹凸を無くしたことで、音楽が死んでしまう可能性の方が高い。

鳴っている音楽は素材、おいしく調理するのはあなた

 つまり、サウンドコントロールとはサウンドクッキングに近い行為だ。音の名シェフになるための慣れや修行はどうしても必要になる。
 いい素材でも例外を除いて、生肉はそのままでは食べられない。あなたはそれをどんなふうに味わいたいのか? その “どんなふうに” が定まっていなければ出来上がった料理は不気味なものになるだろう。
  “どんなふうに” という目標がはっきりしたら、次は “どんなふうにして” そこに辿り着くのか、という純粋に技術的な問題が待ち受けている。
 香辛料の使い方、油の選択、煮るのか、焼くのか、蒸すのか? 火加減は?

 味見をして、次の一手を決める、さてどうする? 塩をひとつまみ? それともみりん? 醤油? 酢? 何を基準にして決めるのか……
 ひとえにシェフの美意識にかかっているのでは? いや、それが結論では身も蓋もないわけで、ここではまず、音がどう<変>なのか、<変>な音とはどういう状態のことをいうのか考えてみたい。
 音質評価について、Wikiを調べてみた。

音質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/10 02:28 UTC 版)

主観品質評価法(オーディオ)
ITU-R BS.1284

平均オピニオン評点はオーディオの場合も使われ、オーディオ品質の評価全般についての主観評価法として ITU-R勧告 BS.1284 で定義されている。これは同様の主観評価法 ITU-R勧告 BS.562-3 の改定版で、音声の場合と同様 MOS、DMOS、CMOS があり評価カテゴリも同じである。

評価対象となるパラメータとして以下のものが定義されている [8]。これらの属性はさらにいくつかの細かいサブパラメータに分類されている。

Spatial impression(空間的印象)
演奏が適切な空間的環境で行われているように見える。(表現する言葉の例:残響のある/ドライな、直接的/間接的、大きな部屋/小さな部屋)
Stereo impression(ステレオ感)
サウンドイメージが正しくて適切な方向分布を持つように見える。(表現する言葉の例:広がった/狭い、正確な/不正確な)
Transparency(透明性)
演奏の全ての詳細がはっきりと感じられる。(表現する言葉の例:クリアな/濁った)
Sound balance(音のバランス)
個々の音源が全体のサウンドイメージの中で適切なバランスにあるように見える。(表現する言葉の例:音源が強すぎ/弱すぎ、音が圧縮された/自然な)
Timbre(音色)
各音源の異なったサウンド特性の正確な描写。(表現する言葉の例:ブーミーな/シャープな、暗い/軽い、暖かい/冷たい)
Freedom from noise and distortions(雑音や歪みの無さ)
電気雑音、音響雑音、騒音、ビット誤り、ひずみなどの様々な妨害現象の不在(表現する言葉の例:妨害が認められる/認められない)
Main impression(主印象)
全体のサウンドイメージと様々なパラメータの相互作用を考慮した各パラメータの主観的な平均。
ITU-R BS.1116

劣化が少ない高品質のオーディオシステムや多チャンネルシステム向けの主観評価法として ITU-R BS.1116-1 が定義されている。BS.1116-1 は DMOS と同様の5段階の評価カテゴリを用いて小数点以下1桁までの評点を決める。

BS.1116-1 の評価カテゴリ
カテゴリ 評点
わからない(Inaudible) 5.0
わかるが気にならない(Audible but not annoying) 4.0
やや気になる(Slightly annoying) 3.0
気になる(Annoying) 2.0
非常に気になる(Very annoying) 1.0
試験は隠れ基準付き3刺激二重盲検法(double-blind triple-stimulus with hidden reference)で評価を行う。この方法は、リファレンス音(原音)と2つの評価対象音の合計3つの音を聴き比べ、2つの評価対象音の相対評価を行う。2つの評価対象音のどちらかにはランダムにリファレンス音(隠れ基準、hidden reference)が含まれ、必ず一方に 5.0 の評点を付ける。この方法は毎回3つの音を比較するため時間がかかるが、僅かな劣化でも検出できるため劣化が少ないシステムの評価に向いている[9]。

MUSHRA

中品質のオーディオ圧縮システムの品質の主観評価法として ITU-R BS.1534 が定義されている。BS.1534 で定義されている評価方法は MUSHRA法(MUltiple Stimuli with Hidden Reference and Anchor)と呼ばれており、AAC、HE-AAC など様々なオーディオ用コーデックの評価・比較に使われている。

MUSHRA法では、一度にリファレンス音(原音)と複数の評価対象音、隠れ基準(リファレンス音)、隠れアンカー(最も劣化の大きな音)を提示でき、評価者が自由に切り替えて聞くことができる。リファレンス音以外の提示の順番はランダムに変わり、どれが隠れ基準/隠れアンカーかも分からない。評価は5段階の連続品質尺度を用い、平均オピニオン評点の「非常に良い(Excellent)」~「非常に悪い(Bad)」までの段階を 100 から 0 までの連続値で表す。

中品質から低品質の音を評価する場合、評価対象音とリファレンス音との差が大きくなるのに対し、異なった評価対象音の差は相対的に小さくなる。異なったコーデックの音を比較する場合など、BS.1116 のようリファレンス音との差のみで評価すると誤差が大きくなる可能性がある。MUSHRA法ではリファレンス音との比較だけでなく異なったコーデック音の間の比較も評価者が自由に行えるため、正しい評価が容易になる[10]。また、隠れアンカーにより劣化した音の聞こえ方が具体的に分かり、劣化を区別をしやすくなる[10]。隠れ基準(リファレンス音)が評価対象音に含まれるため、必ず1つの評価対象音は 100 の評点になる。

隠れアンカー(最も劣化の大きな音)として、原音(リファレンス音)に 3.5kHz のローパスフィルターを通し高音をカットした音を用いる。隠れアンカーは複数含まれてもよく、7kHz のローパスフィルターを通した音、雑音を加えた音、ステレオ感を無くした音などが使われる。


さて……

【 続く 】




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