JBL4343/ほぼオリジナル

 フルレストアはしていない


 前オーナーが、ミッドバスとウーファーのエッジをオリジナルではない布製のものに張り替えられているが、それ以外は全く手が入っていない、ほぼオリジナル状態だった。そのエッジとミッドバスのコーン紙が色落ちしていたのでリステインした。音に、これといって気になるところはない。

 フルレストアされ、高級パーツで組みなおされたネットワークをもつKENRICK SOUND製のリメイク4343を聴いてみたい。多分、繊細でフレッシュなサウンドが期待できそうだ。見た目はもう完全に新品。いつか手元に……

 元JBLインポーターの某さんはオリジナルへの拘りがお強いのでリメイクされてしまえばもうJBLじゃない、と思われているようだ。個人的には、ユニットがJBLオリジナルであれば十分だと思う。

 目の前で鳴っている4343は誠実に使い込まれたオリジナルなので正しいエージングがついた極上のサウンドではないかと思える。この頃の4343はネットワークが蝋で封印され防震、防湿対策が取られているので、意外に劣化していない個体もあるようだ。気になる歪感は全くない。背面のネットワーク切り替えや正面のアッテネーターも定期的に接点保護のために回されていたのでガリもない。サイズの合わないドライバーやコインなどを使用されていないのでノブも綺麗で、ロット番号が打刻されたオリジナルのパネルも無傷だ。汚れや、経年変化はコツコツ清掃、補修していけばいい。エンクロージャーに傷がないのは奇跡的だ。ネームプレート付きのサランネットは張り替えられていないが、うっすら汚れてはいるものの、破損ゼロ。


クールなデザイン、サウンドは理想

 そう、毎日向き合っていると、一目惚れした初恋の人と一緒にいる感じで、もう何もいらない状態、だ。こんなことなら、もっと早く行動すべきだったな、と思う。やはり、視覚イメージは重要で妥協のないこの理想の美貌と向き合える状況には感謝だ。3日で飽きるような浅薄な造形ではないのだ。パーツが、もはや動かし難い位置に配された絶対バランスの世界、これがわたしにとっての4343のグラフィカルな美しさなのだ。


 そして……





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