JBL4343/ECM

 4343で聴くECM

 ECMがお気に入りのレーベルになっているオーディオ愛好家は少なくないであろう。以前は、“クリスタルサウンド”などと評されたものだが、いまでも静寂感や透明感が一途に冴わたる世界は揺るぎない。

 2007年、スイスのルガーノで記録されたピアノ・トリオ。レヒナーのチェロの清潔感がいい。

 同じ Vassilis Tsabropoulos のピアノだがオーソドックスなジャズのトリオ形式。

 ジャズでは通常はコントラバス(ダブルベース)を使用するがクラシックとはピチカート奏法がまるっきり異なる、そのことが以下のブログで詳しく書かれている。

https://sethproton.hatenablog.com/entry/2018/04/12/132151


 コントロールされたJBL4343は、箱鳴き風のこもり、ボケ、ふやけ感のないソリッドでタイトな響きとなって、演奏の美しさを際立たせてくれる。

 初期型JBL4343のクールで頑固な、職人気質の性格によって音楽の髄を抉るように彫り起こしつつ、空間に放たれる響きと余韻を取りこぼしなくすくい上げてくるところがECMの目指す世界とキレイに重なるのだろう。

 オーディオ機器の使いこなしとは何なのだろう、といつもながらに考えさせられた。少なくとも、意味不明な高価なアクセサリーをジャラジャラ組み込むことでないことだけははっきりしている。






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