イコライザーのお話

あくまでも音楽


 ヴィルトゥオーソ(virtuoso)はイタリア語だ。フランス語ではヴィルトゥオーゾ(virtuose)、ドイツ・オーストリア諸国では、ヴィルトゥース(virtuos)になる。音楽界の【巨匠】のこと。
 フルトヴェングラー、カラヤン、ワルター、ベーム……    彼らがコントロールするベルリンフィル、ウィーンフィル、世界の名だたるオーケストラのサウンドは素晴らしい、見事だ。
 ベートーヴェンの生きた時代の楽器を使い当時の奏法によって演奏されたホグウッドの作品。解釈は、もちろん彼に一任される『芸術』の領域だ。疾風怒涛の激しさがありながらストイックな清潔感、潔癖さに貫かれた演奏はすごい。
『運命』はヴィルトゥオーソの演奏とは別世界の宇宙がある。終楽章の冒頭、炸裂する純粋にして穢れ無き透明に澄んだ情念に圧倒される。古楽器オーケストラならではのピンポイントで差し込んでくる浸透力の強い、ハイテンションサウンド。
 ベルリンフィルの勇壮、豪奢はないが彼らには出せないストイックに引き締まった清廉な響きに満ちている。
 豪華なリビングルームで、ソファにふんぞり返って聴く音楽ではない。座るなら粗末な木の椅子だろうし、いや立って聴くべきなのかもしれないし……
 で、このサウンドMAGNEPANから引き出す設定は、我が家ではこうだ。


 我が家のイコライジングは、基本的にはレコーディングスタジオ史の中で最も有名なチューブ・イコライザー「Pultec EQP-1A」をベースにしたカーブの組合せだ。SPLの考え方もそこから発していると思う。
 グラフィックイコライザーは急峻な特性を持つフィルターのの組合せになるので歪みの点で不利だろう。
 お薦めしたいのは緩やかな特性を持つフィルターの組合せでサウンドコントロールしていくアプローチだ。
 難しいのは音の変化を自分の耳で判断して、設定を構築していかねばならないところだ。慣れるまでにはそれなりの時間を要するはずだ。負けないでほしい。


 これを4台(LR2セット)用意してほしい。究極のコントロールがハイCPで達成できる。もちろん、あなたの努力は必須だが……








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