高解像度で濡れたような艶を

 コンデンサーとケーブルの役割





 ムンドルフ(独)のハイエンドキャパシタと英国QEDのケーブルの組合せでMcIntosh MC302によってダイレクトにドライブされるJBL 077はクイックかつクリア、色彩感あふれる艶やかで濡れたような深い光沢を放ってくれる。高能率ユニットの宿命で、送り込まれる信号の質に鋭敏に、過敏に反応する。そこが面白いところでもあり、厳しいところでもある。家庭で至近距離(5m以内)でこのユニットを使用する場合はオーディオ的なベーシック・セオリーをクリアしない限り、泥沼にハマるリスクがある。個人的にもこれまでマルチアンプシステムを構成するにあたりデジタル・スピーカー・マネージメントシステムを長らく使用したしてきたが、やはりAD、DAコンバーターが介在することで変質する響きが気になってコントロール系はアナログに戻した。スーパーウーファーのコントロールはデジタル・スピーカー・マネージメントシステムの優位性が明らかなのでピンポイントで使用することにしている。デジタル機器は往々にしてモノトーンでドライな響きになりがちである。我々アナログ世代はその現実と戦ってきた。アナログLPの生々した響きをCDからも、と。MCD350に到達したのはそうした懊悩の結果だった。コントロール系をすべてアナログに変更した理由もそこにある。

 あとは、機器が放射する電磁波と周囲にできる電場の影響をコントロールすることがポイントだ。この影響をキャンセルしない限り、音場のモヤ付き、デッドなつや消し感、乾燥感はとれない。故・井上卓也先生が電磁波、電場の影響についてやかましく注意してくださり、電波吸収材を駆使した簡易的な緩和策を教示して下さったが今やもっと強力な解決策が得られるようになっている。高性能電磁波・電場計測機器を駆使した機器のワイアリングの見直し、仮想アースをとることでの電磁波、電場のコントロールだ。

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