途方に暮れる

 この差は大きい……


 Armin の最新CDと聴き比べたが……    音が出た瞬間にはっきり聞き取れる大きな差異に愕然とした。うん100万円のCDプレーヤーを使えばこの音が出せるのか……

 システム全体の『歪』を減らし、S/Nを上げる、特に仮想アースをとって、機器から電磁波、電場が撒き散らされないようにしたことも大きく効いていると感じる。こうした対策の積み重ねで、アナログLPの音とCDの差があからさまにつくようになったようだ。

 世界のハイエンドオーディオはアナログLPに舵を切り直しているが、結局こういうことだったわけだ。CDの焼き直しやDAコンバートの方式であれこれの新手法が登場したが、この香りたつ、濃密な透明感はやはり無理だったのだ……

 CDが登場してなんともうじき40年だ。アナログの新譜が出なくなったのは30年ほど前のことだろうか。失われた30年だ……

 アナログLPの方が音がいい理由は不明だ。たくさんの分析、解析、推察がなされ論争が巻き起こり、戦争の様相を呈したこともあった。

 この差異についての論理的な説明は、ほぼ不可能のようである。結果がすべてなのだ。別に、耳の肥えたマニアでなくとも、誰が聞いてもわかる決定的なニュアンス、テイスト、雰囲気の違いがある。

 本物の料理と、蝋で作った精巧なメニューサンプルの違い、とCDが登場した頃から感じてきたことが、結局まだそのまま残っていたわけだ。ため息しか出ない。

 いま入手可能な新品のアナログディスクを慎重に探していくしかないのか……

デジタル録音でもカッティングマシンを駆動してビニールディスクを作成する過程はすべてアナログでありD/Aコンバーターが存在しない

 ここに秘密が隠されているのか? わからない。McIntosh  MCD350 は色々聴いたCDプレーヤーの中で、最もアナログの美点を備えていると感じられた。


アナログLP再生とCD再生を machinist さんのように分離してみるというのも一つの解決策か。


 これが氏のシステム構成だ。求めている音の世界は違っても、アプローチのプロセスや手法は学ぶべき点が多い。

 我が家で出来ることは、CD再生はオールマッキンで、アナログはとりあえず ATC とFirst Watt でいき、PAS のプリ、フォノイコを順次加えていくという長期プラン。

 そして、氏が実行されたようにケーブルは純銀単線にしてみたい。フォノイコはまあこれが理想だが……    意外にも、もっとシンプルなものが良かったりするかもしれない。ただ、物理的な特性よりも、ネルソン・パスのカラー(美意識)が乗ってくる方がいいわけで……



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