A STATE OF TRANCE

 YEAR MIX 2019

 

　TRANCEの複雑に重なるシンセサイザーのライン録音、これはビルトイン・ネットワークを持たないスピーカー・システムの方が、音の純度、トランジェント、S/Nという点で圧倒的に有利だ。愛用の『セルフ・アッセンブル・コンパクト』システム、上下の指向性が極端に狭いリボンツイーターを、しっかり耳の高さに合わせねばならない。

　ARMINのこのアルバムは傑作だ。聞き手の内面にぐいぐい迫ってくるエモーショナルな曲ばかりがこれでもか、と言わんばかりに繰り出される。ドラマティックで情緒性の高い旋律を持ち、激しいリズムでガンガン迫ってくる。もう息もつかせぬCD２枚組で全106曲、切れ目なしの怒涛、津波的サウンド。

　この置き方で実現した広大な音場とディープな低音。スーパー・ウーファーが鳴っているとしか思えない重低音。ニアフィールド・モニタリングならではの高い音圧によるサウンドシャワー。Djシステムによる綿密なコントロールで、大音量でも耳を圧しないナチュラルサウンド。